自分が勤めている会社から退職するように促され、どのように対応すれば良いのかわからないと悩んでいる人は多いかもしれません。
まず前提と言えることとしては、退職勧奨されたからといって、それに応じる義務はどこにもないのです。
具体的には応じるか拒否をするの2つの選択肢を取ることになりますが、どちらを選ぶのかは慎重に検討する必要があります。
どちらを選ぶにしても注意しなければならないことがあり、退職するかどうかは自分の生活や人生にも大きく関わってくることであるため、会社に言われるままにするのではなく、しっかりと検討し安易に退職をしないことが求められます。
退職勧奨とは
そもそも退職勧奨とはどのようなことなのかをしっかりと把握しておく必要がありますが、会社が労働者に対して退職を促すことを指します。
労働者が自発的に退職するようにと説得するものであるため、応じるかどうかは労働者が決めることになります。
もしも応じたくないようであれば、応じる義務は全くないということです。
このようなことを聞くと解雇と同じなのではないかと思う人も多いかもしれませんが、解雇の場合には自分の意思は全く関係なく、会社が一方的に辞めさせるものです。
自分の意思が尊重されているかどうかが大きく異なります。
解雇は法律上厳格な条件が定められていて、万が一解雇してトラブルになるリスクを避けるためにも、労働者が自発的に退職をするように促すものが退職勧奨です。
しかし会社は退職を促すときには、自分のためにも退職をした方が良いと言うように述べるケースが多いため、それを鵜呑みにするのではなく慎重に対応することが求められます。
会社はまず業務改善命令、配置転換などを行う
まず最初に会社は退職勧奨を行う前に、業務改善命令、配置転換などを行うことが一般的です。
できる限り労働者の雇用を維持するように努めなければならず、これを怠った場合には、解雇ができない可能性もあります。
通常であれば退職勧奨が行われるのであれば、面談などで30分程度話し合いを行うことになるでしょう。
具体例をあげると、業務成績や勤務態度が悪いので今月いっぱいで退職してほしいというような内容のことを言われるはずです。
これに対して自分がどのように回答するのかで、その後の流れが異なります。
会社の都合が良いように記載されている退職届に署名押印だけを求めてくるケースもある
この場合の対応は応じるのか、それとも拒否するのかの2択になりますが、応じるとなった場合には、退職する日やその理由、退職金等についての協議が行われることになるでしょう。
しかしこの時に会社によっては、会社の都合が良いように記載されている退職届に署名押印だけを求めてくるケースもあるため、十分な注意が必要です。
自分の失業保険の手続き等は退職後に行うことになります。
そしてもう一方で拒否した場合には、その後は会社により流れが異なります。
拒否した場合にはそれ以上退職の話を持ち出ないこともありますが、多くは拒否した場合にも勧奨を続けたり、もしくは解雇の手段によってどうにか退職させようとするはずです。
例えば拒否をしたとしても、改めて退職金を支払うのでやめてほしいという打診がなされたり、条件が記載されている書面の交付等がなされることもあります。
それでも提案に応じなければ、会社は解雇に踏み切ることもあるでしょう。
法律により30日前までに解雇を伝えなければならない
解雇を行う場合には、通常解雇の予告がなされるはずです。
法律により30日前までに解雇を伝えなければならないからです。
そしてこの予告期間中に勧奨に応じるかどうかをもう一度考え直してほしいと自宅待機を命じるケースもあるのです。
最終的に応じることなく解雇の日が来た場合には、これを争うかどうかの検討に入ることになるでしょう。
この勧奨に応じるかどうかの判断基準には、大きく分けると3つのものに分かれます。
解雇された際にそれが有効となるのか、そしてその会社で働き続けたいのか、辞めた場合に生活を維持できるのかということです。
これらをよく考えた上で、自分で勧奨に応じた方が良いのか、それとも拒否した方が良いのかを判断します。
(参考リンク:退職勧奨 違法)
一般的に勧奨を拒否した場合どうなるか?
一般的に勧奨を拒否すると会社は解雇に踏み切る可能性が大いに考えられます。
その解雇が有効となる可能性が高い場合には、退職条件を協議して勧奨に応じた方が、自分にとってメリットが得られるはずです。
懲戒解雇によって退職金を貰えなくなってしまったり、再就職との関係で解雇の履歴を残したくない、重責解雇によって失業保険を受給できなくなる可能性などが該当します。
しかし解雇には厳格な条件が設定されていることから、それほど簡単に認められるわけではありません。
またその会社で自分が働き続けたいかどうかについてです。
一般的に退職を促されれば、会社との関係も悪くなり、そのまま残るにしても居づらくなるものです。
働き続けることにそれほど積極的でなければ、条件次第で退職を検討するのも一つの手段です。
会社を退職すればそれ以降の賃金は支払われなくなり、生活を維持できるのかどうかが心配になります。
まとめ
退職後の生活維持の見通しを立てるためにも、再就職の見通しや失業保険を受給できるまでの期間や日数、会社から貰える特別退職金や解決金、貯金額などを確認しましょう。